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2008/12/27

「新聞の危機」と寄付モデル

朝日に続き、毎日・産経も赤字転落との記事。J-CASTが報じている。

リンク: J-CASTニュース : 毎日・産経が半期赤字転落 「新聞の危機」いよいよ表面化.

   朝日新聞社の赤字決算が新聞業界に波紋を広げるなか、その流れが他の新聞社にも波及してきた。毎日新聞社と産経新聞社が相次いで半期の連結決算を発表したが、両社とも売り上げが大幅に落ち込み、営業赤字に転落していることが分かった。両社とも背景には広告の大幅な落ち込みがある。景気後退の影響で、さらに「右肩下がり」になるものとみられ、いよいよ、「新聞危機」が表面化してきた形だ。

毎日の場合、Waiwai問題がどの程度広告費の落ち込みに影響しているのかわからないが、業界全体で広告費が大幅に落ち込んでいるのは間違いないようだ。

僕よりも年配の人と話をしていると、「常識ある社会人は、毎朝新聞に目を通すものだ」ということを言う人に出会うことがあり、ニッコリ笑って受け流しているけれど、僕はもうとっくの昔にそんなことはやめてしまった。ニュースがパッケージとして一覧できるメリットもわかるし、全否定をするつもりはない。たぶんこの手の発言は、若者の「活字離れ」のことを言っているのであろう。それもわかる。

だけれども、この手の人たちと、電子的に読めるものをあえて紙でも読めるメリットについて、語り合いたいという気持ちは失せてしまうので、黙っていることにしている。

というわけで、僕の立場は中立的なものだけれども、2ちゃんねらーの意見はもっと過激で、「マスゴミ」不要論が飛び交っている。

しかし極端な話、マスコミがすべて倒産して消えてしまったあと、僕たちはどうするのか。職業ジャーナリストの存立基盤をどのように確保して、僕たちを代表して取材活動をしてもらうのか。この問題は取材体制の縮小という形で、おそらくすでに現われてきていて、この先はますますシビアな問題になってくるだろう。

この点、昨日シロクマ日報が紹介していた「寄付」モデルは、なかなか面白い視点を提供してくれた。

「情報は無料」と考える読者に対して、従来有効だったのは広告モデルでした。しかし景気後退により広告モデルの不安定さが露呈し、代わって登場したモデルの1つが「寄付」。文字通り自分たちの活動の意義を理解してもらい、それに対して金銭的な支援をしてもらうわけですね。

一つ目は、さまざまなトピックを提示して、寄付が一定額に達したところで調査をスタートさせるというやり方。シロクマ日報の小林さんは、「プロジェクト型ジャーナリズム」とでも呼んでいる。

そしてもう一つが、記者単位で寄付するモデル。

そして上記の記事でもう1つ紹介されているのが、記事単位ではなく「記者単位で寄付しよう」というアイデア。実際にミネソタ州のある町では、1人の女性記者を雇ってローカルニュースをカバーするブログ(Locally Grown)を開始し、彼女の給与を住民からの寄付で補うことが計画されているそうです。またこういった方式を"Representative Journalism(代表制ジャーナリズム、とでも訳しましょうか)"と名付け、世間に広めようと活動している団体も存在しているとか。

Representative Journalismという言葉を初めて聞いたけれども、なかなか面白い考え方だ。このやり方を進めていった時に、たとえば特定勢力がお金を使ってジャーナリストを囲い込んで、世論を誘導するような行動も起こりうるが、そこは透明性の確保によって改善できる部分もありそうだ。

今はテレビや新聞の行く末が案じられたり、語られたりしているけれども、実は本質的な問題はそこではない。取材をして情報を伝えるという仕組みを、どうやって社会が支えていくのかということだ。それは広告なのか、購読なのか、それとも寄付なのか。どのような組み合わせになるのか。最後はそういう問題になるはずだ。

たとえば、日本人が日本語で記事を書く国際ニュースというのは、近い将来かなりの贅沢になるのかもしれない。庶民は英語ニュースの翻訳をウェブで読むだけになり、金持ちだけが日本人向けに独自に取材された高価な記事を読む。そんな感じになるのだろうか。

ネパールの関連記事を僕はよく読むのだが、日本の新聞社はカトマンズに記者を置いていないので、だいたいが英語圏の情報を元にしたと思われる記事で、インドの特派員から送られてきている。もっとも詳しいネパール情報は、Kathmandu Journalというブログで、小倉清子さんというフリージャーナリストによるもの。こういう人たちに「寄付」が流れ込む仕組みがうまくできればいいのであろう。

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4 貧困と暴力の中で
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5 同時代に冷静な歴史的評価を下している名著

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コメント

米国でも経営難に陥った新聞社がありますので、英語が読めたとしても、ニュース源がますます少なくなってしまいそうです。広告・購読・寄付の他に考えられるのは、情報の公共性を重視し、NHK や BBC などのようにある種の「税金」で賄う制度くらいでしょうか。

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