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2004年10月24日 - 2004年10月30日

2004/10/27

中森明夫講演会と大学祭終了

大学祭が終了した。
今回は模擬店、企画ともに多数あり、全体としては大いにもりあがったといえるだろう。
自分の担当しているゼミでも、恒例のベルギーワッフルのほか、エッグタルトもメニューに加わり、過去最高の売り上げとなった。学生たちの協力関係も比較的うまくいった。

個人的には、中森明夫さんと「女性自身」編集部の田邉さんの講演会に力を注いだ。もともと通常の講義期間中に設定しようと思ったが、市民も集めようとして学園祭にぶつけた。結果的に見ればその作戦は失敗だった。学生はみな模擬店やその他企画にはりついていて、思うように集まらず、市民も意外と中森さんを知らなかったため、集客に苦労した。北海道新聞と地元紙もそれぞれ紙面でとりあげてくれたのだが、なにせ前日北海道開発局主催の大きなシンポジウムが、学園祭と連動して同じ場所で開催されたというのが大きかった。もちろん趣旨はぜんぜん違う企画なのだが、なにせ開発局は建設業界に絶大な力を持っており、前日のシンポには、建設業界の関係者、市長を初め稚内市の関係者などがやってきて大賑わいとなった。ただ「背広族」たちは、そこに「動員」されているだけなので、学園祭本体とのシナジー効果はまったく生まれることはなく、大学とおじさんたちとのギャップがかえって際立つ結果になったように思う。「背広族」が学園祭につきあわなければならない義理ももちろんないのだが、一方の学生も自分たちの企画で手一杯でシンポジウムにあまり参加しなかったし、もう少し両者が接点を持てるような仕掛けを作るべきだったなあと感じた。

中森さんと田邉さんのトークは、個人的には非常に面白かった。芸能エンタメ裏情報から雑誌メディアの将来まで、という幅広いテーマでお願いしたが、見事にバランスをとってくださった。「裏情報」は稚内の人には聞いたこともない遠くの世界の話だったと思うのだが、それでも食いつきはそんなに悪くなかったと思う。学内的に「あいつ下らんことを企画した」と思われないように配慮したのがよくなくて、むしろ自由に「裏情報」で突っ走ったほうが、結果的にはよかったかなという気もする。

一番大きかったのは、ゼミの学生たちへの影響であろう。これは良くも悪くも、ということになるだろうが、いずれにしてもメディア関係者との接点を持ち、付き合い方を覚えるというのはいいことだったと思う。そういう意味で、限定的ではあったが、中森講演会のほうが、学生たちとの接点が生まれてよかったと思う。当初は一戸が勝手に始めた企画であったことや、中森さんを今の世代はほとんど知らなかったこともあって、学生たちもあまり力を貸してくれなかったが、当日は表に裏に十二分に働いてくれた。

打ち上げは、模擬店打ち上げと講演会打ち上げを平行して行い、途中から講演会打ち上げに学生たちが合流するという形になった。学生たちは最初気後れしていたようなところもあったが、だんだん酔いもまわって、最後は三人の来客と交じり合っていろいろな話をしていた。酔っ払いすぎて何をしゃべったか覚えていない人も多いようだが。

マスコミ関係の人と飲んでいると、いつもその場のノリでとんでもない方向に話が発展していく。今回も、大学や稚内市の方向性について、常にポジティブにいろいろなアイディアが出続けた。たいていこの手の話は酒の場での盛り上がりで翌日消えてしまうような荒唐無稽なものなのだが、ごくまれに、荒唐無稽なはずなのに、そのまま現実化してしまうこともある。その辺のバランスを知っていると、適当に相槌を打ったり、話を広げたりしていくノリになるのだが、学生たちの反応はなかなか複雑だった。案外まじめに反感をもち「あんなのとんでもない」と言っているのもいたし、適当に話をあわせているのもいた。テーマが「おたく」「アニメ」のあり方みたいなところにあったこともあるかもしれない。

しかし本質はたぶん別のところにあると思う。マスメディアはノリで新しい流行を作り出す。それにさしたる根拠がないことは、当の関係者もよくわかっている。一方で、草の根から新しいムーブメントが生まれる、SNSのようなものも実際に存在している。マスメディアはそのときそのときノリで、虚像を作り出し、旬がすぎるとあっさり見捨ているのだから、草の根の活動がきちんと根付いていくことは大事なことである。しかし、稚内ではどうか。稚内の小さな取り組みや地道な草の根活動は、「いいことだね」と言われるに至っても、なかなか人々の生活に根付くことがないし、まして街の外の人間をひきつけるものに育っていかない。たとえばSNSは大都市圏では支持を得て、まだまだ人口比率から言ったらたいしたことはないけれども、人口を拡大再生産する仕組みができてきている。それはある程度の動きができた段階で、マスメディアが注目してきたらであろう。首都圏のメディアは多様であり、ノリがよく、新しい動きを察知して、勝手にどんどん話を大きくしていくのである。
しかし稚内では、地元メディアが少なく、中央メディアへのアクセス(発信のためのアクセス)もきわめて限定されている。だから地道にやっていることに陶酔・満足しがちなのだが、メディア対応がうまくいっていないからうまくいかないという面があることは、一応出発点として確認したほうがよい。GREE WAKHOKイベントがたいして話題を呼ばなかったのは、われわれのおかれた現状をあらわしているのだと思うが、もう少しやり方を考えれば話が広がっていく可能性がないわけではない。企画段階での「ノリ」を、もう少し大きな動きにしていくような何かが必要だったのだろう。

幸いにも、東京人は稚内に興味を持つ。それは地元から見れば偏見と思われるようなものもあるが、北海道イメージは最大限生かすべきであろう。今回のゲストの二人も、いろんなイメージを広げて東京に帰った。それらはここでちょっと盛り上がるだけで終わるものもある。しかし、やはりそういうところでうまく機会を捉えて、ノリを作り出していくようなセンスが、稚内人にも求められているし、学生たちもそうなっていってほしいと思う。

指導教員がノリがよすぎる・ノリがすぎるというのはよくわかったと思うのだが、それを反面教師にするよりは、いいとこどりでうまくやる学生たちとなっていってほしい。

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